昨年、一家で北陸旅行をした時の話である。
前日の夜に小松空港に着いた我が一家は、駅前のホテルで一泊し、明けた朝、小松駅のホームで金沢行きの電車を待って居た。
駅の構内アナウンスが響いた。
「間もなく下り ○○番ホームに特急 サンダーバード 3号が参ります。」
それまで、前日遅かったため、眠そうにホームで立って居た息子(当時 小3)は、突然、目を輝かせ、キョロキョロと辺りを見渡し始めた。
「なんだ、こいつ? 何興奮してんだ?」と、私は思ったのだが、すぐに気が付いた。
今、構内アナウンスは、間違いなく「サンダーバード 3号が来る」と言ったのだ。
もとより、息子が「特急 雷鳥」の事など知りはしないし、その「特急 雷鳥」のより速いバージョンが「特急 サンダーバード」であることなど、知る由も無い。
我が息子に取って、サンダーバード 3号とは、あの国際救助隊の真っ赤な宇宙ロケットである あのサンダーバード 3号以外にはあり得ないのである。
なるほど、息子は、国際救助隊のサンダーバード 3号が、まさに今、このホームにやって来ると勘違いして、興奮して居るのだ。
そりゃ、本当に、国際救助隊のサンダーバード 3号が、やって来たら、私だって嬉しいだろうな。
そう思って、思いっきり笑ってしまった。
もちろん、やって来たのは、ごく普通の特急列車(それでも特急列車の中では相当格好よい方なんだが)で、息子が、がっかりしたのは言うまでもない。
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