マツド・サイエンス研究所

理想のPDA(その6)

私の場合、長期的な ToDo が、なかなか実行に移せないと書いたが、その理由の一部は、長期的な ToDo の中には作業時間が長すぎるモノがあるせいだ。

作業時間が数分や数時間以内で納まるなら、短期的な ToDo として処理できるが、数日以上の期間に渡ると、そう言った処理ができなくなる。

それなら、長期間に渡る作業を、短期間の作業に分解すれば良い。

イラストは、海外旅行の準備を分解した物である。もともと、海外旅行の準備くらい、大して時間がかからないが、それでも数日以上のかかるし、パスポートが期限切れで再発行が必要になると、ずっと時間がかかる。

図の色分けは深い意味は無い。ただ、矢印は、「青矢印は作業開始のトリガー」「緑矢印は論理的順番」「赤矢印は物理的順番」みたいにしておいた。つまり、とりあえず、パスポートの期限確認をしないと、航空券購入ができない(別にパスポートが無いと購入できないと言う決まりがある訳じゃ無いが、心理的にパスポートの確認もせずに、何万から何十万円するであろう航空券の購入はしないと思う、多分)とか、着替えを用意をしてから、実際の荷物の詰め込みをするとか言ったものだ。

こう言った絵を描いて、「やるべき事」を細かい単位に分解すること自体は有効だ。

このような絵の描き方は、昔から色々とあった。PERT とか CPM とかガントチャートとか、色々な絵の描き方や流儀がある。イラストの絵は、相当いい加減だが、「ネット図」的な絵だ(詳しい人から、「そんなもん、ネット図じゃない」と怒られそうだが)。

また、そう言った図を描くためのソフトもある。マイクロソフト・プロジェクトが有名だが、PDA 用のソフトでも Palm 用に Progect(Project のスペルミスではない)と言うソフトもある。

こう言った色々な種類の図を、紙のシステム手帳に描いたり、色々なソフトを使って描いたりして試したことが何度もある。が、どれも上手く行っていない。

システム手帳など、紙に描いた場合は、変更等がやりにくい。

マイクロソフト・プロジェクト等のPC用のソフトは、そもそも大規模プロジェクト用の管理ソフトだから、個人の ToDo 管理には大袈裟すぎる。Palm 用の Progect は、個人用に作られて居るのだが、図は描けず、箇条書きにするだけのソフトで、物足りない。

今使って居る Zaurus 用には、適当なソフトが無いので、プログラムを自作してみたが、これも上手く行っていない。

どうも、このような「ネット図」を描くこと自体が問題ではなくて、その使い方に問題がある気がする。

一般的にネット図等を描く時は、「最初に、細分化する作業を全て洗い出す」事から始めなければならない。

ところが、個人でやる場合、一々細かいところまで考えるのは後回しにして、やれるところから始めて、「走りながら考える」事が多いだろう。

また、途中で気が変ったり、作業を進めて居る内に、新たな作業の必要性に気が付いたりして、変更が必要になる。

大人数で大規模プロジェクトを遂行して居るなら、実行途中の頻繁な計画変更は、混乱の元だから是非避けるべきだ。

しかし、個人の場合、自分以外に迷惑をかける人も居ないのだから、頻繁に計画を変更する。

ここで、下手に「ネット図」なんか描いて居ると、頻繁な変更に対応できないものだから、実際の作業と、どんどん離れて、役に立たなくなる。

また、最初の段階では「パスポートの期限が迫って居る場合」とか「ホテルの予約ができなかった場合」とか、色々なケースを想定する必要があるだろう。もちろん、あらゆるケースに対して細かい対処方法を用意することは無いが、ある程度は考えておくことは大事だ。

残念ながら、今まで色々なソフトを試したが、「頻繁な変更」や「想定ケース毎に計画を作る機能」で満足できた事は無い。

紙に描く場合は、「頻繁な変更」は難しい。「想定ケース毎に計画を作る」ためには、ケース毎に何枚も描くだけなのだが、ちょっとだけ違うけど同じような図を何枚も描くのは面倒だ。

だから、

・個人用だから、扱える規模は小さくて良い

・その代わり、状況に応じ、頻繁な計画変更にはフレキシブルに対応できる

・想定されるケース毎に、複数の計画を同時に管理できる

ような PDA (Zaurus) 用のソフトが欲しいなあ、と思って居る。

でも、一方で、上記のような理想的なソフトがあっても、それだけでは駄目な事も分かって居る。

ちゃんと「細分化された ToDo」できても、それを実行に移さなければ意味が無い。

私の性格から予想すると「ToDo が細分化」された事に満足して、いつまでも実行しないに違いないと思うのだ。

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