なかなかビーグルⅡ世号が飛んでくれないのは、
このコンテンツに野尻さんがコメントしてくれたように、垂直尾翼が大きすぎるのが原因のようだ。
そこで、実際にビーグルⅡ世号の垂直尾翼の大きさを変えながら、文字通り「カットアンドトライ」で実験してみた。
二週間前に壊した胴体後部を補修し、プロペラプラグにクリアラッカーを塗って防水処理し、写真のように垂直尾翼に切取り用の線を描いたりと準備した。用意万端整った状態で、飛行を待っていたのだが、天候が悪かったり、忙しかったりで、今朝、やっと実験飛行することができた。
垂直尾翼には、写真のように色分けした切取り用の線を描いておいた。この線にあわせて、垂直尾翼をハサミで切り取り、垂直尾翼の効果を表す数値である(垂直尾翼容積比)=(垂直尾翼面積×モーメントアーム)/(主翼面積×主翼スパン)を変化させながら、飛行の安定性を調べる。
なお、正確に計算しなおしたところ、切取る前の状態で(垂直尾翼容積比)=0.063、緑色の線で切ると 0.054 、赤線で 0.046、青線で 0.037、黒線で 0.027 である。
現在、ビーグルⅡ世号には、二種類の主翼を用意してある。一つは翼端のみに上反角を持った主翼、もう一つは二重に上反角を持った主翼である。実験飛行は、同じ垂直尾翼面積の時、両方の主翼を用いて安定性をテストする。
事前の予想では、野尻さんの NLP-1 は0.042~0.059でうまく行ったと言うことなので、緑線と赤線の辺りで安定しそうだ。また、上反角が大きいと実際上の垂直尾翼容積比が下がると言う事なので、上反角の大きい二重上反角の主翼の方が、より垂直尾翼容積比の大きな状態で安定すると予想できる。
実際に試験をした結果は、予想と微妙に異なった。
まず、二重上反角の主翼の場合は、ほぼ予想通りであった。緑線(0.054)と赤線(0.046)は安定して飛ぶ。特に緑線は綺麗に糸を引いたように理想的な滑空をした。青線(0.037)は、左右に振り子のように振れると言う、上反角が大き過ぎて垂直尾翼容積比が少なすぎる時の典型的な飛行状態になった。
予想と異なったのが、翼端上反角の主翼である。緑線(0.054)の時こそ、安定して滑空したが、やや左周回がきつ過ぎる様だった。赤線(0.046)でも滑空が安定しないが、青線(0.037)に至っては、手投げ滑空すらできないほど暴れまくった。最初の予想では、二重上反角の場合より、垂直尾翼容積比が小さい状態まで安定が取れる筈だった。しかし、実際は逆で、二重上反角の主翼の方が、垂直尾翼容積比が小さい状態まで安定だった。
どうやら、翼端上反角の主翼は、上反角が少な過ぎるようだ。
なお、青線ですら、両方の主翼で安定が取れないことから、垂直尾翼容積比= 0.027 となる黒線での飛行は行わなかった。
さて、次の方向性が決まった。
・垂直尾翼容積比が 0.05 前後のなるように、胴体後半部と垂直尾翼を作り直す。
胴体後部は、2週間前に折れ曲がって、現状応急修理の状態なので、この際、作り直す。
・翼端上反角の主翼は、上反角を大きく作り直す。
・二重上反角の主翼は、このまま。
次の飛ばすときは、滞空時間を長くすることを目指そうと思う。
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