マツド・サイエンス研究所

SL-A300の赤外線でppp接続する

最近 手に入れた SL-A300 を色々試して居る。

普段使って居る SL-C860 では、スケジュール管理として、Qualendar (XML版)を使って居る。試しに SL-A300 にも Qualendar をインストールし、スケジュールのデータファイルとカテゴリーや色の設定ファイルをコピーすると、そのまま使えることが判った。

これなら、軽量の PIM として使える!

問題は、SL-C860 と、どう同期を取るかである。

色々と方法は考えられる。

SHARP のお進めは、USB ケーブルで、Windows の母艦と接続して、ファイルのバックアップを取る方法なのだろうが、面倒臭い。いちいち GUI 環境でファイルのコピーをするのは面倒な上にミスの誘発もある。スクリプトを書いておいて、必要なファイルの更新情報をチェックし、最新データのみをコピーする方が楽だ。

SL-C860 は、無線 LAN で、家庭内 LAN に接続し、ファイルサーバーの玄箱とデータの同期を取っている。これを行うスクリプトは Ruby で書いておいて、ワンタッチで操作できるようにしている。

普段、SL-C860 の最新データを玄箱と同期させて居るなら、同じような事を、SL-A300 でも出来ないか・・と思った。

しかし、SL-A300 本体には、CF インターフェースが無く、無線 LZAN での接続は困難だ。(SL-A300 の裏に付く拡張ユニットがオプションにあるにはあるが、異様に大きく、SL-A300 の良さをスポイルする。)

そこで、赤外線に目を付けた。元々、SL-A300 は赤外線にで、携帯電話経由でインターネットに接続できる機能がある。

無線 LAN でホーム LAN に接続して居る Debian Linux Sarge のノート PC で、ppp サーバーを動かし、それを用いて SL-A300 と赤外線経由で ppp 接続した。Debian Linux Sarge の上では IP マスカレードも動かして居る。これにより、SL-A300 からは、Debian Linux Sarge を通して、ホーム LAN でもインターネット空間でも自由にアクセスできる。

この状態で、前述のスクリプトで玄箱との同期が取ることができた。

無線 LAN で直接 LAN に接続できる SL-C860 に比べ、LAN に接続する度にノート PC の Debian Linux Sarge を起動しなけらばならないので、面倒だと思うかもしれない。

だが、慣れると意外と気楽に接続し同期できる。

実は、無線 LAN は消費電力が大きく、SL-C860 で接続する時は、バッテリーの残量を気にしながら行う必要があって、これが意外とストレスになる。

それに比べ、赤外線は消費電力が少なく、気軽に接続できる。もちろん、データ伝送速度が桁違いに遅いのだが、スケジュール・データの同期程度なら問題にならない。

このように、赤外線でのネットワーク接続は、PDA のように電力などのリソースが少ないシステムに極めて有効だ。

と、まあ、まるで自分で発見したように言って居るが、白状すると Palm 時代の経験を応用しただけだ。

私は、Zaurus の前は、Palm を使って居た。古い Palm だったので、インターフェースは、シリアルと赤外線しか無かった。この時代にシリアルインターフェースや赤外線を用いたデータの同期やネットワーク接続の便利さを知ったのである。

SL-A300 は、その時代の Palm と良く似て居るので、同じことができないかと試しただけだ。

私と同じ事を考えた人は、他にも居るようで、ネット上に何例も見つけることができた。

ところが、これらの事例を見て驚いた。

私が、Debian でやった事を Windows でやろうとしても上手く行かないと言うのだ。

「あれれ・・、元々 Palm が Winows の母艦との間でやっていたことなのに!?」

正確に言えば、 Windows98 以前の Windows なら上手く行くらしい。つまり、「古い Palm」の時代の Windows だ。

ところが、最近の Windows では動かない。これは、OS によって、赤外線インターフェースが隠蔽されて居るからである。

「古い Palm」は、赤外線と親和性が高かった。

その頃、PDA は全盛であった。

しかし、Windows が赤外線を隠蔽し、使いにくくなったのと、PDA が衰退するのと時を同じくして居るのは気のせいだろうか?

もちろん、最近の PDA は、USB や無線 LAN 、Bluetooth で、母艦と接続するようになっているから、赤外線の隠蔽は関係ないと言えば関係無いのだが。

とは言え、それらのインターフェースには赤外線の手軽さは無いと思うのだが、どうなんだろう。(Bluetooth は未経験なので、手軽かどうか、本当のところは知らない)

そもそも「赤外線が使われなくなったから隠蔽した」のか「隠蔽したから赤外線が使われなくなった」のか、どっちが先かは、よく判らないが。

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