マツド・サイエンス研究所

SH-TINY

大量のハンダ付け作業は、未だ続いているが、この間に部品などの購入で何度も秋葉原へ行った。その時、改装した秋月で「SH-TIINY」なるワンチップ CPU が売っているのを見つけた。最初見た時は買わなかったのだが、帰宅後、ネットで情報を集め、何とかなりそうだと思い、二度目に購入した。

このSH-TINY (R5F71253N50FPV)は 900円、0.5mm ピッチの 64pin QFP の CPU 単体のみの販売で、秋月でのキットなどの販売は無い(他社からは出ているようだ)

SH-TINY は、SH-2 CPU コアを持つワンチップマイコンで、昨年インターフェース誌の付録になった SH-2 ボードの SH-2 (HD64F7144F50V) の弟分に当たるような CPU である。

SH-2 (HD64F7144F50V) に比べると、ROM が 256Kバイトから 128K に半減したり、シリアルポートが 4つから 3つに減らされるなど、パッケージのピン数が減った分、IO が少なくなっているなどの点が異なる。

一番大きな相違点は、SH-2 (HD64F7144F50V) は外部に RAM を接続できるようになっているのに対し、SH-TINY はメモリーバスが省略されていることだろう。

モニター入れて、リモートデバッグしようと思って居る人には RAM 増設ができないのは痛いかもしれないが、私のように組み込みで ROM 化しか考えて無い人に取っては大きな問題ではない。

その他、電源電圧が、3.3V から 5V に変わってたりするが、CPU クロックは Max 50MHz 65MIPS で処理速度など、性能的な面で見劣りはしない。

TINY と言うと、H8-TINY (HD64F3664F/HD64F3694F) を思い浮かべる。H8-TINY も決して悪いマイコンじゃないのだが、メモリが小さく (ROM:32K RAM:2K)、処理速度が遅く (HD64F3664F が最大 16MHz HD64F3694F が最大 20MHz、MIPS は不明)、IO ポートが少ない。何よりもシリアルポートが 1つしかなかったのが、不満だった。

ロボットなどの制御を考えると、ワンチップマイコンを複数乗せ、シリアルポートで通信し分散処理させるのが面白い。この場合、プログラム書込み兼デバッグ用にシリアルポートを1つ占有するので、少なくとも2つ以上のシリアルポートが欲しかった。

そう考えると、SH-TINY は中々良い選択だ。値段も安いし、IO ポートも程々の数があるし、何よりもシリアルポートが3つもある。仮に IO が多く必要だったり、ROM 領域が多く必要だった場合、SH-2 (HD64F7144F50V) も交ぜて使えば良いのだ。元々シリーズCPUなのだから、プログラムも共用しやすいだろう。

問題なのは、ROM への書込みソフトだが、ルネサスのHTERM か FDT で書けるようだ。

と言うわけで、SH-TINY を買って来て、ハンダ付けの合間に作ったのが、写真の基板だ。ハンダ付けの気分転換にハンダ付けをするのだから、我ながら可笑しい。とは言え、DIPのハンダ付けと、0.5mm ピッチの QFP を実体顕微鏡を使ってハンダ付けするのは、まるで違う。それなりに基分転換になるから不思議だ。

現状、プログラムの書きこみや動作確認及び HOS のインストールまで確認している。

次回以降、数回に分けて、回路図などのハードウエア、ROMへのプログラムの書きこみ、HOS のインストール方法を説明したいと思う。

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