マツド・サイエンス研究所

ジェットエンジン

八谷さんが、「『メーヴェのようなもの』のジェットエンジンの燃焼試験をやるので見にきませんが?」と言うので、今日は仕事を休んで見に行った。

模型用ならともかく人が乗る飛行機のためのジェットエンジンを個人で持っている人なんて滅多にいないし、ましてや機体に搭載する前の段階でジェットエンジンの燃焼を見る機会もほとんど無いから、ワクワクである。

さて、某大学の敷地内でテストスタンドを立て、燃焼実験の開始である。

ジェットエンジンは、意外な程小さい。だが、小さくても本物、ちゃんと推力が出る。

最初、始動するのに手間がかかり、何回か点火しそこねた。

燃料は、ケロシンと言っても灯油そのものなので、点火直前は、音といい臭いといい、石油ファンヒーターと同じである。

だが、ひとたび点火すると豹変する。

凄まじい音と熱が周囲を包み、熱風を噴射する。イヤーマフや耳栓をしていないと辛いだろう。

燃焼が安定し「本気モード」に移行した途端、思わず大笑いしてしまった。

楽しくってしょうがない。

八谷さんによると、間近でジェットエンジンの点火・燃焼を見ると、ビビる人と笑う人の2パターンに分かれるそうだ。私は、笑う人の典型だ。こう言うの大好きだからねえ。

「本気モード」になった以降は、燃焼は安定したものだ。

推力は、以前、夏に試験した時の一割増しだと言う。今日は、明け方、初雪がパラついた寒さだったので、空気が収縮し、密度が上がっているため、インテークから夏よりも多い空気を吸い込む事ができるので、推力が向上する。

と順調に一回目の試験が終わったのだが、二回目の試験は始動用プラグのためのバッテリーが上がってできなかった。気温が低いためにバッテリーが上がったのだと思われる。寒いのは良いこともあれば悪いこともあるんだねえ。

片付けた後、大学内の食堂で昼食を食べる。

食堂には、何故か、メイド姿の女の子が居た。

給仕しているわけでは無く、テーブルに広げた本とノートを見て勉強しながら、普通に昼食を食べていた。文化祭の季節でもなく、模擬店の休憩時間とも思えない。仮に文化祭の出し物の休憩時間だとしても、完璧な扮装のまま食事をする必要など無いだろう。

彼女の存在が、本日最大の謎であった。

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