マツド・サイエンス研究所

本出版の打上げ

ささやかながら、本の出版を記念して打上げを行った。

と言っても、私とイラストを描いてくれた あさりさん、担当の編集者の三人で、秋葉原の居酒屋で飲んだだけなので、本当にささやかだ。

本の売れ行きは、編集さんが肩身が狭くなるほど悪くは無いけど、大喜びするほどの良い売れ行きでも無いらしい。売上げが、少し落ち込んで来たので、この辺で、ブログでPRする。

宇宙暮らしのススメ

さて、内容の話になったのだが、色々と感想がある。

まず、一般的に、第1章と第2章の評判が良い。この二つに関しては、宇宙の事について、常識的な知識をまとめた部分だ。

私自身も第1章と第2章は書きやすかった。一般の人には知られていなくても、宇宙の関係者なら誰でも知っている当たり前の事を並べただけだからだ。それにこう言った話は、講演でも講義でも繰り返し説明しているので、スラスラと書ける。

それに対して、第3章の評価は、色々と分かれる。

一番厳しいのは、私の父親で、「第3章は、まとまっていない。これは別の本にすべきだった」と言うもの。

最も多かったのは、「ブログで読んだときより、まとまっていて良かった」と言うもの。

もちろん、この感想は先にブログで読んでいた人に限られる。

正直、第3章は、もう一度書き直したかったなあ。

やはり、全て自分で考えた事を文章にまとめるというのは難しいね。

もちろん、小惑星への移住は、ツォルコフスキー以来、多くの人が提唱し続けているのだが、この本にまとめた部分はオリジナルなアイデアが大半をしめるので、まだまだ熟成が足りないのは事実だ。

もっと、正直に言えば、一年前に設定した7月出版が予定通りに達成できるとも思っていなかった。

今まで、本を書く話は、いくつもあったのだが、最後までできた試しは無かった。予定通り出版できただけ、喜ぶべきなのかも知れない。

予定通りに出版できたのは、編集者の方と あさりさんのおかげだ。感謝、感謝である。

一年かけて、やっと一冊、それもページは少ないし字は大きいし、2割は あさりさんのイラストなので、楽だったと思われるかもしれない。

一年で単行本を何冊も出す作家も多いからね。でも、それはプロの話。

素人の私にとって、一年で一冊書くのが精一杯。

話題を元に戻して、第3章の評価。

打上げが終わった後、母から、こんな話を聞いた。

「私の友達に、本(宇宙暮らしのススメ)をすすめる時は、第3章から読むことをすすめるの。第1章と第2章は難しすぎるから。第3章の方がとっつきやすいでしょ。」

どうやら、第1章と第2章が判りやすいと言うのは、ある程度の科学・技術的知識がある人に限られるようだ。もちろん、第1章と第2章を理解するには、宇宙関係の知識は必要としないように書いている。でも、理解するには、一般的な科学・技術の基本知識が必要となる。

母の友人つまり70代の御婦人には、むしろ一般的な科学・技術の基本知識の必要としない、最初から吹っ飛んだ話の第3章の方が理解しやすいらしい。

なるほど、これは新しい知見だ。

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