アルファ・ケンタウリ・プロキシマは 4.2光年、約40兆キロも離れている。
そこに行くのも大変だが、仮に反物質やら核融合やらの推進ができて、アルファ・ケンタウリに着いたとしても、取得したデータを地球に送ることができなければ、台なしだ。特に無人探査機なら、情報も送ることができなければ、何の役に立たない。
では、アルファ・ケンタウリから通信できるか?
ちょっと真面目に計算してみた。と言っても、私が計算したのではなく、『恒星間飛行研究会』のメンバーで衛星間レーザー通信の専門家の荒木氏に回線計算してもらったのが、この表だ。(恒星間飛行研究会のメンバーらしく、野尻さんの作品に名前が出ていたりするので、探してみると面白いかも)
さて、表を見ると判ると思うが、1000W のレーザー光源を直径10メートルの反射鏡で太陽系に送り、直径20メートルの反射鏡で受信すると言うもの。これで、受信したフォトン1個あたり1ビットとすると、4kbps のデータレートで送信できることになる。
「1000Wのレーザー光源」「直径10メートルの送信用反射鏡」とか「直径20メートルの受信用反射鏡」「1ビットあたりフォトン1個で受信」と、相当無茶なスペックが並んでいるが、それでもデータ伝送できるところに驚いてしまった。受信用の反射鏡を太陽系内の宇宙に浮かべれば、大気伝搬損失は要らないかもしれない。意外と、4kbpsは速いので、「1ビットあたりフォトン1000個で受信」くらいにスペックダウンしても良いかなと思ってしまうくらいだ。
その他のスペックも、かなり無茶だが、反物質や核融合の推進ができる技術レベルまで進歩したら、可能になりそうな気がする。
もっと大きな問題は、アルファ・ケンタウリ星の光が、肝心の通信を邪魔しそうなきがする。受信側でアルファ・ケンタウリ星の光をオカルテーションなどで隠蔽する方法が考えられる。その他、アルファ・ケンタウリ星から太陽系と90度ずらした方向にある程度場所に中継用の衛星を置き、衛星までは電波、衛星から太陽系へはレーザー光で送るという方法もある。これなら、地球から見るとある程度の角度差が出るので、アルファ・ケンタウリ星が邪魔しないかもしれない。
遠い将来のことだけど、こう言うアイデアを考えるのは楽しいねえ。
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