マツド・サイエンス研究所

Ubuntu 12.04をインストした

メインで使っている超小型ノートPC FMV-BIBLO LOOX U/C30 に、先週から Ubuntu 12.04 をインストした。Ubuntu 12.04 は今年4月にリリースされて半年以上、既に後継の 12.10 もリリースされた今頃になって、12.04 をインストしているわけだから、遅すぎるだろう・・と思われるかもしれないが、それなりに訳がある。

Ubuntu のリリースは半年毎だが、この半年毎のリリースの大半は先端技術が反映されているもののサポート期間が短く、1年半しかない。しかし、2年毎にリリースされる LTS (Long Term Support) は、逆に派手な機能は無いもののサポート期間が長い。今回インストした Ubuntu 12.04 は LTS で5年間のサポート期間がある。

私の場合、Ubuntu をメインで使っているので、派手な機能よりも地道に長く使える

LTS の方が良い。

今まで使っていた Ubuntu 10.04 も LTS なのだが、そのサポート期間は3年(デスクトップ版の場合)で来年4月までである。従って、来年4月までに 12.04 に切り替える必要があったのだ。逆に、なぜ、リリース後半年以上も遅らせたかと言うと、どんなに良くできた OS でも、リリース直後は不具合があり、それが落ち着くまで待っていた。12月初頭まで学会や講義などでLOOXを使うことが多く、それが終わったタイミングで12.04をクリーンインストしたのだ。

実は、Ubuntu 12.04 をインストしたのは、今回が初めてではない。試しとして、デスクトップ機などに何回もインストしている。LOOX自体にもインストして動作チェックを行なっている。LOOXのHDDはパーティションを細かく分けていて、10GBの領域を新しいバージョンなどのテスト領域に使っている。12.04 のリリース直後にテスト領域にインストして動作確認していた。

今回は、以前10.04を入れていたパーティションだけではなく、テスト領域も合わせてフォーマットしなおし、12.04をクリーンインストした。それは、これがLOOXの最後のOSのインストにしようと思ったからだ。

LOOXを買ったのは2009年の1月1日。ほぼ4年になる。Atom 1.3GHzのCPUと言い、1GBのメモリと言い、既にハード的には時代遅れとなった。新しいバージョンのOSは、新しい機能の追加と引き換えに、より高性能な新しいハードを必要とする場合が多い。12.04のサポート期間の残り4年強よりも早くLOOXが壊れるか完全に時代遅れになるだろう。だから、これが最後のインストだと思った。

本当は10.04のサポート期間が後数年あれば、12.04に変える必要はなかった。10.04の機能で、実用上ほとんど問題が無いからだ。むしろ、12.04に変更による問題の方が大きい。

12.04の最大の問題点は、ユーザーインターフェースの Unityだ。このインターフェースは極めて評判が悪く、私も試しに使った限りにおいては良い感触は無かった。よっぽど、Mint Linux のように旧来のユーザーインターフェースを使った Linux をインストしようかと悩んだほどだ。しかし、別途、デスクトップ機にインストした12.04で Gnome Classic を言う旧来とそっくりなユーザーインターフェースを試した結果、最悪の場合、そこに逃げ口があると判断して、12.04をインストすることとした。

12.04には、他にも問題点がある。OS標準となった GMA500のグラフィックドライバーは、LOOXと相性が悪く、デフォルト状態では、画面の上半分しか表示されないと言う不具合がある。また、タッチペンのキャリブレーションにも問題があった。しかし、グラフィックドライバーとタッチペンの問題はインスト後の設定で対処可能な事が判ったので、本格的に使おうと思った。(もし、LOOX U/C30やC40、B50などに Ubuntu 12.04 をインストしようと言う人が入れば、これらの対処法を書こうと思うが如何であろうか?)

一方、12.04にして良くなることもある。一番はサスペンドモードからの復帰だ。Ubuntu 10.04の場合は、サスペンドモードからの復帰時に画面が真っ黒になったままで実用にならないと言う問題があった。12.04では、この問題がなくなりサスペンドが実用的に使える。また、無線LAN用のドライバが新しくなり、無線ルータとして使えるようになった。もっともUbuntu 12.04 パソコンを無線ルータとすることができても、余り使いようが無いので、こっちの方は実用的では無いかも知れない。

Ubuntu 12.04 をインストし、メールクライアントやSTM32F4用の開発環境などを構築していると、わずか、数日で Unity に嫌気がさしてきた。LOOX U/C30には感圧式でシングルタッチではあるが、タブレットPC的な使い方ができるのだが、Unityは全くタブレットOSとして機能できない。その上、Unityは遅いので、今のところ、Unity2Dと言うUnityそっくりだが基本的には別のユーザーインターフェースに逃げているが、Gnome Classic に移行する日も近そうだ。

さて、そろそろ LOOX U/C30 の後継機も考えないといけないのだが、特に、これと言ったものは今のところ無い。Atom Z2760 を使ったタブレットPCが狙い目と思ったが、intel はZ2760はLinuxをサポートしないと宣言したようだ。まあ、Atom Z2760 にLinuxをインストした場合、問題になるのは電源管理部だけのようなので、消費電力が大きくなることを諦めるか(Z2760最大の魅力を失うことになるけど)、誰かがハックするまで待つか。

とまあ、しばらくは LOOX をメインで使うことが続きそうである。

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