マツド・サイエンス研究所

Windows8.1の8インチタブレットのMiix 2 8を買った

2秒月末にWindows8.1の8インチタブレットであるMiix 2 8を買った。

このMiix 2 8、最新のATOMであるBay Trail-T Z3740を使った8インチタブレットであり、昨年11月に発売されてから、ずっと欲しかったものである。

なぜ、2月末まで待ったかと言うと、発売直後は品薄で実売価格も下がらないでいた。これが、クリスマス・年末年始シーズンに続いた。この状態が中国の旧正月である春節まで続くと予想していた。案の定、春節の後、品薄が解消し、価格が下がった。Miix 2 8の生産地は中国だからね。アマゾンでポチったら、特別料金なしで翌々日には届いた。早いものだ。早速、起動してみる。最初にマイクロソフトアカウントに登録するのが面倒な点と、発売からの間にあったアップデートに時間がかかったものの、Winodows8.1本体は、それなりにレスポンスが良く使いやすい。入手2日目には回復ドライブをUSBメモリに移してリカバリー用のパーティションを解放してしまった。私が買ったのはSSDが32GBのモデルなので、ストレージを少しでも確保したい。USBメモリに回復ドライブを作ったので、これでLinuxをインストしても、いつでも戻せるぞ・・と言っても、まだBay Trail-tへLinuxのインストに成功したと言う報告は無いので、未だ挑戦してないが。

その後、不要と思われるプリインストールアプリを消して、かなりストレージを空けた。また、タッチキーボードは意外と使いやすいのだが、流石にタッチタイピングはできないので、Bluetoothキーボードも買い足した。

こんな感じで約3週間弱使っている。たった3週間なので、とても使い込んでいるとは言えないのだが、Windows8.1、特にモダンUIは中々良くできていると言うのが、現在のところの私の感想だ。

と、ここまで読んで「マイクロソフト&Windows嫌いの野田が未だLinuxをインストしてないなんておかしい」と思ったかもしれない。確かに一つ前のノートPCは、買って2週間ほどでUbuntuとのマルチブートにしたくらいの私である。

実は、私はLinux好きなのでは無く、マイナーOS好きなのである。厳密に言うと、現時点ではマイナーOSであるものの、今後ブレークするOSを予想して導入するのが、好きなのである。例えば、今から22年前に、当日主流だったPC9801ではなく、PC/AT互換機を買って、DOS/VとWindows3.0を入れたのも「マイナーOSを導入して、その後ブレークを予想した」からだろう。まあ、私が導入したOSが必ずしもブレークしたわけでもなく、OS-9/68000やOS2のようにマイナーのまま消えていったOSも多い。

その中でLinuxは、ブレークとまでは行かないまでも、普及が進んだOSだ。最初にLinuxを導入したのは15年くらい前だと思うが、その頃は本当にマイナーだった。その後、ディストリビューションが増えるたびに使い易くなり普及が進んだ。今のUbuntuなど、インストはむしろWindowsより楽になっている。

その代わり、マイナーOSとしての魅力はなくなった。我が家のWindowsXパソコン3台はUbuntuへの移行は終わっており、ホームサーバーはDebianであるので、既に4台のLinuxが動いている状態だ。

そこで、今のマイナーOSは・・・と目を付けたのがWindows8.1なのである。

大マイクロソフトの最新OSがマイナーOSだなんてと思うかもしれない。実際、秋葉原の量販店では、Windows8.1のパソコンが大量に売られている。

しかし、ネットなどを見てみるとWindows8.1の評判はすこぶる悪い。秋葉原の量販店でも、Windows8.1より、Winows7パソコンの方が高い価格で売れている。

正確には、Windows8.1そのものの評判が悪いのではなく、Windows8.1のユーザーインターフェース(UI)であるモダンUIの評判が悪い。そのため、私の周りでWindows8.1を導入した人も、ほとんどがWindows7風のクラシックなUIに切り替えるアプリを入れたり、クラシックなUIに近いデスクトップに切り替える以外にモダンUIを使わないと言う人ばかりだ。

そこで、現在のマイナーOSとも言えるWindows8.1&モダンUIを使ってやろうとタブレットPCを購入したわけだ。特にキーボードの無いタブレットなら、モダンUI主体にならざるを得ないだろうからね。

で、使ってみると、そんなに悪くはない。

まず、レスポンスが良い。これは、モダンUIのせいと言うより、Bay Trail-t CPUの性能とWindows8.1がOSとして良くできているからかも知れない。特にWindows8.1のOSとしての出来は、起動・シャットダウンの速さ、USBやBluetooth等のインターフェース設定の容易さ、ネットワーク接続の簡易さ、アプリがほとんど固まらないなど基本的な性能が良く、相当作りこんでいると見受けられる。Vistaの時と大違いだ。

モダンUIも噂程には悪くない。多少、慣れるのに時間はかかるが、3日もすればコツをつかめた。コツをつかむ前に「ナレーター」と言う機能をONにしてしまい、タッチパネルだけの状態でOFFにできずに困ったこともあったが・・・

慣れてしまえば、モダンUIは使いやすい。ユーザーインターフェース(UI)が大幅に変わると、ユーザーが猛反発するのは今に始まったことじゃ無い。Windows95が出た時もWindows3.0が出た時も、そうだった。ひどい話では、PC9801が出たころ、エラーメッセージが漢字で、その上カラー表示だったと言うだけで、非難された。どれも今となっては正常進化で、ユーザー側が食わず嫌いでついて行けなかっただけなんだけどね。

Linuxの世界も例外ではなく、UIの変化で混乱する。私の使っているUbintuも例外ではなく、3年ほど前から、unityと言うUIになったのだが、これが如何にも中途半端だ。それまでのgnomeに比べて見た目が派手になっただけで、特に機能的に強化されたところはない。むしろ色々な機能の在りかが判りにくい分だけ使いにくい。少なくとも2年以上、毎日のようにunityを使っているが、未だにunityの良い点を見い出せないでいる。

だが、unityは未だましで、私にとって最悪のUIの変化は、KDE4だった。KDE3まで、私はLinuxのUIにKDEを使っており、オリジナルプログラムのGUIもKDEのAPIであるQtを使っていた。ところが、KDE4は見た目は派手だが、全く使い物にならないUIで、その上、Qt4もQt3以前とは、ほとんど互換性のないものだった。このため、それまで作りためたプログラムも、ほとんどが使えないと言うことになった。私はKDEに見切りをつけ、gnome2と、そのGUIであるgtk+に切り替えたのである。

これらのunityやKDE4に比べたら、Windows8.1のモダンUIの方が遥かにましである。使用開始わずか数日で、モダンUIはの使い方が判っただけでなく、むしろ今までのUIより使いやすいと思うほどだ。

しかし、Windows8.1を使って初めて判ったのだが、モダンUI用に作られたアプリはモダンUIで動作するんだけど、昔にながらのUI用に作られたアプリは、例えモダンUIのスタート画面から起動しても、クラシックなUIであるエアロを使ったデスクトップに切り替わってしまうのだ。

改めて説明すると、Windows8.1には「モダンUI」とクラシックなUIである「エアロ」の二つのユーザーインターフェースがある。「モダンUI」はスタート画面に代表されるタッチパネルも考えたUIで所謂Windows8.1の悪評の原因となった斬新なユーザーインターフェースだ。片や「エアロ」はデスクトップに代表されるWindows7以前と同じようクラシックなユーザーインターフェースだ。

「モダンUI」はタッチパネルでの操作に向いているが、アプリが対応していないと使えない。モダンUIに対応していないアプリを起動すると、自動的にユーザーインターフェースが「エアロ」に変わってしまう。Windows8.1導入以前から使っているアプリは当然モダンUIに対応しているわけがないから、「エアロ」で動作することになる。「エアロ」はタッチパネルでの操作に向いていないから、キーボードとマウスが欲しい。

じゃあ、モダンUIに対応したアプリに切り替えれば良いかと言うと、そうも行かない。モダンUIに対応したアプリの絶対数が少ないのだ。例えば、この文章はエディタである秀丸で書いているが、秀丸はモダンUIに対応していない。最低限の文字入力はタッチキーボードから行えるが、タッチキーボードにはファンクションキーも無ければ、上下移動のカーソルキーすら無い。もちろん、二本の指でズームする事もできない。秀丸に限らず、モダンUIに対応したエディタを未だ見つけていない。Windows8.1標準のメモ帳ですら、モダンUIに対応していないのだ。この文章を書いている最中に、FirefoxがモダンUIに対応を断念したと言うニュースが入ってきた。モダンUI対応のアプリ増加も期待薄のようだ。

「そんなにモダンUIが良いなら、そもそもタッチパネル操作の元祖のiPadやiPhone、Androidにすれば良いのに」と思う人も居るかもしれない。

私も、そう考えた時期もあったし、実際に安物ではあるが、Androidタブレットを購入して試してもみた。だが、駄目だった。これらは私が求めているものでは無い。

私の結論は「iPadやiPhone、Androidは、消費=受動的道具であって、生産=能動的道具ではない」だ。これらはアプリを自分で作るのではなく、他から受け取るだけだ。アプリどころか、コンテンツですら受け取って、閲覧だけすることがメインになっている。コンテンツに関しては、iPadやiPhone、Androidで作ることは不可能では無いにも関わらずだ。

実際にAndroidアプリの作成を試したこともある。Android単体ではアプリ作成はできず、別途、パソコンが必要だ。そして、そのパソコンには意外なほどのCPUパワーが必要である事に気付いた。何時でも何処でもアプリ開発を行いたいなら、Android端末以外に、それなりにゴツイいノートPCを持ち歩かなければならない。iPadやiPhoneのアプリは試していないが、同じようなものだろう。これでは二重投資だし、第一持って歩くのは重い。

その点、Windows8.1タブレットなら、セルフ環境でアプリ開発を可能だし、コンパイル言語に限らなくても、スクリプト言語によるアプリ開発を環境も揃っている。私のタブレットも、まだコンパイル環境こそインストしていないが、既にrubyによるGUIアプリ開発をできる状態にして、gitでソース管理している。今の電車の中でSSDにクローンしたリポジトリにローカルのブランチを作ってプログラムのデバッグを行ったところだ。残念ながら、ユーザーインターフェースがエアロのになってしまうのが惜しいが。

今後、セルフ開発環境に限らず、組み込みマイコン用のクロス開発環境もインストするつもりだ。まあ、既に残りが気になってきたSSDの容量にもよるが。

「何時でも何処でもアプリ開発を行いたい人なんて居ないよ」と言われそうだ。

確かに、そういう人は少数派だろうけど、全くいないわけではない。現に私が居る。

電車の中でも、散歩している時でも、ふとアイデアが浮かぶ時がある。そんな時、ちょっとしたプログラムを作り、シミュレーションなどして確認したいのだよ。

人が作ったアプリやコンテンツを受け身的に消費し、時にはメールやTwitter、Lineで書き込むだけなら、iPadやiPhone、Androidで十分だろうし、むしろ、そう言う使い方に限るなら、ユーザーインターフェースの作り込みができているiPadやiPhone、Androidの方が良いだろう。

しかし、創造的な使い方をしたいなら、Windows8.1が良いだろう。

まあ、そんな人、滅多にいないから、今後もWindows8.1、特にモダンUIはマイナーのままだろうね。

(ちなみに今回のコンテンツは、Windows8.1タブレットで製作し、テキストは全て秀丸エディタにタッチキーボードでの入力、絵はモダンUIのペイントソフトであるFresh Psintで描いた。ただし画像が大きすぎてアップロードできなかったので、GIMPで縮小した)

注意

ブログのコンテンツの内、「告知」など時期よって情報価値が無くなるのは除いてある。また、コンテンツに付いたコメントは書き込み者に著作権があるものと判断し、ここに持ってきていないので、コメントを見るときは、元々のブログコンテンツを参照してもらいたい。

その他、ブログ発表後、コメントなどの内容を反映するなど、内容を変更しているものもあるので、注意してほしい。