読書の「秋」も過ぎてしまって、今や読書の「冬」だが、超お薦めの必読書をリストアップする。全て私が読んだ上で選んだ本である。
なお、いずれも科学的解説書かノンフィクションで、フィクションは入っていないので、SF小説などはない。
ジャンル特A「義務教育の必読書にすべき本」
・「暗号解読」 サイモン・シン著
文句なしの最優良図書。私が生涯読んだ中でベスト1。
冗談じゃなくて、「暗号解読」は義務教育で知っていれば、日本の将来がより良くなる暗号の知識が詰まっている。
例えば、マイナンバー。
現在のマイナンバーでは、ナンバーが漏れたら悪用されてしまう。
もし、マイナンバーの仕組みを変え、暗号化し本人にすら本物の番号が判らず、給料支払い用に毎回ナンバーを作り、漏えいしても被害を受けないようにできる。
簡単ではないが、良~く考えたらできそう。
しかし、現状では国民の大半が暗号技術を理解してないから、暗号を使うやり方は選ばれないだろう。
義務教育で「暗号解読」読み、国民の過半数が暗号技術を理解いれば、暗号技術を使ったマイナンバーも使えるのに。
要は、暗号技術は、算数や昔のソロバンと同じ。交換則とか結合則とか、細かい理論は知らなくても、足し算引き算掛け算割り算のやり方や性質を知っているかどうかで社会や経済の回り方が違う。それと同じ。
サイモン・シンは、他に「フェルマーの最終定理」「ビッグバン宇宙論」などがあり、いずれも素晴らしい書籍だが、その中でも「暗号解読」は一番素晴らしい。
・「伽藍とバザール」 エリック・レイモンド著
この本は、普通に出版されているのではなく、ネット上でオープンでフリー(無料)で公開されているもの。
科学技術は一人で考えては駄目で、多くのアイデアが融合し新しいアイデアへと広がる。己のアイデアを秘密にすると短期的には得だけど、長期的にはアイデアをオープンにした方が自分も含め皆が得になる。
秘密や競争はゼロサムで、オープンはプラスサムなので究極的に皆が豊かになると言う事を「伽藍とバザール」は教えている。
ジャンルA「絶対に読むべき本」
・「銃・病原菌・鉄」 ジャレド・ダイアモンド著
私の生涯のベスト2の優良書。
なぜ、義務教育の必読書にしなかったかと言うと、中学生には少し難しいかと思ったから。年号覚えるだけの学校の歴史より、よほど勉強になる。
人の社会が、どのように進歩してきたかを伝える。
・「暴力の人類史」 スティーヴン・ピンカー著
殺人や戦争と言った暴力のデータの変遷から科学的な検証の元に、国家の成立とか、国同士の抗争・戦争の歴史を書いている。
選挙に行く前に読みたい本。
・「経度への挑戦」 デーヴァ・ソベル著
科学と技術を志す者は、必ず読むべき本。
下手なハードSFより、ずっとセンス・オブ・ワンダーを感じる。
時計と言う技術で不可能に挑戦し、社会を豊かに豊かにする。
技術者ならジョン・ハリソン、科学者ならエドモンド・ハレーを見習いたい。
・「暗号技術入門 第3版 秘密の国のアリス」 結城浩著
他の書籍は外国の人の著作だが、この本だけは例外的に日本人の作。
もう一つ例外があって、この本だけ私は読んでいない。正確には第2版は読んだが、今年の9月に出た第3版は読んでいないと言うもの。
暗号技術をちゃんに勉強するには最適の本。
結城浩には、他に「数学ガール」と言う名シリーズがある。
これら以外に、必読書と言うものがあったら、推薦して欲しい。
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ただ、私が読み通し、優良書と思うまで、このリストには追加しないので、遅くなっても勘弁してもらいたい。
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