ラグランジュ・ポイント

ラグランジュ・ポイントの説明

ラグランジュ・ポイントとは、地球と月の引力と軌道速度によるの遠心力(遠心力は厳密には実在しないのだが、あると仮定した方が説明は楽になる)が釣り合う場所

アニメ「機動戦士ガンダム」でコロニーのある場所として有名になった

ラグランジュ・ポイント付近での軌道運動は複雑で、ラグランジュ・ポイントが有名な割には正確な動きや形状は知られていないので、WebGLを使った3Dアニメーションを作った

説明の図にも書いたように、実際には月は1か月で一回転で回っているが、3Dアニメーションでは、地球と月を止めた座標系で動きを示している

ラグランジュ・ポイントは、5つあり、それぞれ L1～L5と言う番号が付いている

ガンダムのサイド番号とラグランジュ・ポイントの番号は一致しないので、注意

L4とL5は、安定軌道だが、L1～L3は常に誤差修正の軌道制御を行わないと直ぐに軌道が外れてしまう

アニメーションには、楕円に近い形状になる例を示したが、実際にはリサージュ模様のような軌道も存在する

ラグランジュ・ポイントを巡る軌道は1つではなく、無数に存在する

楕円に近い形状でも半径の異なる軌道数多くあり、3Dアニメーションに示した各軌道上の白い点がコロニーだとすると、コロニー同士の距離は、近いように見えても数万キロ以上離れており、衝突の危険はない

リサージュ模様などの軌道でもコロニー同士を衝突しないように制御することはできるが、今回アニメーションで示した楕円に近い形状の軌道に回しておくのがおすすめである

L1～L5を巡る各コロニーは、北極星方向から見ると、全て右回りすなわち、月の軌道回転と逆向きに回っている

また、L3～L5の回転周期は、月の公転周期とほぼ同じだが、L1とL2は約半分の周期で回っている

正直に言えば、L4とL5の安定軌道だけでも数十万キロに渡る広大な場所があり、軌道の不安定なL1～L3にコロニーを置くメリットは無いと思う(ガンダムの宇宙観ぶち壊しだが)

また、L4とL5も厳密には安定軌道とは言えない

地球と月だけなら安定なのだが、太陽や木星などの巨大惑星の引力によりL4とL5を巡るコロニーも無制御だと、いずれ軌道を外れる

実は、地球～月の付近なら、ラグランジュ・ポイントよりも、地球と月の間で、ちょうど月の軌道周期の半分の周期で回る軌道が比較的安定なので、こっちの方が良いと思う

グランジュ・ポイントは、地球～月系だけでなく、太陽～地球系や、太陽～木星系にも存在する

太陽～地球系のL1やL2は、150万キロと遠いが、実は少ない燃料で行ける

地球～月回りのラグランジュ・ポイントどころか、静止軌道へ行くよりも少ない燃料で行ける

ただし、行くのに時間はかかるが

太陽～地球系のL1やL2は、地球との相対位置が或る程度一定し、また、「月と言う邪魔者」が居ないので、天体観測には極めて有望な場所である

太陽～木星系のL4とL5は、太陽系には、木星より大きな惑星が居ないため、本当に安定な軌道であり、トロヤ群と言うように小惑星が集まっている場所である

ちょっと遠いが、本当にコロニーに向いているのは、ここかもしれないな