野田真紀のお気楽・極楽 英国便り
その15 突然移動遊園地 21st October 1998
突然移動遊園地
主人が、仕事帰りに見付けた遊園地。
数ヶ月前にも、たまたま通りかかった普通の道沿いの芝生に、突然として現れた移動遊園地があり遊んだ事があった我が家。それと同じように、大きな遊園地が街の中心の公園近くの芝生の上に出来ており、早速出かけた。何も無かったところにいきなり、大きな遊園地が現れるので、我が家では、突然移動遊園地と呼んでいる。
今回は、たまたま・・・見つけて行くのじゃないから、準備万端。カメラもお弁当も持参。食べてから遊ぶつもりだったのに、遊園地がオープンするのが午後4時から夜10時までとは・・・。そこで、お弁当は道路の反対側にある大きな公園の芝生の上で食べ、子供達は遊具も何もないこの公園で、只ひたすら走って、転がって遊んで時間潰し。凄く広〜い公園に我が家4人の他2人。(なんて贅沢なんでしょう!!)
私は、主人と でも、走ってるだけでは、夕方4時まで時間を潰せそうもなく、家へ。(たいそうな書き方をしてるけど、我が家まで車で5分もかからない。)家で夕食の下拵えをし、再び移動遊園地へ。まず、主人と息子が、電気式ゴーカートに乗る。娘と私は、コーヒーカップのようにグルグル振り回される乗り物に乗ったのだが・・・。もともと、こういうのに弱い私は、「お父さんと行った方が・・・」と言っていたのに、「僕は、今乗ってきたところだから、乗っておいでよ。」の言葉に、乗ったのがいけなかった。
ぐるぐるぐるぐる、同じ方向へ向かって、大きく振り回され気分が悪くなっていく。娘は隣で笑い転げ、かなり楽しい様子。『お願い。もういいから止めて〜ぇ』と言っても、止めてくれるはずもない。まして日本語で叫んでいるのだから・・・。この乗り物の真ん中にある柱に、取り付けられているスピーカーから、ガンガン騒がしい音楽が鳴り響き、このスピーカーの横を通り過ぎる度、大きく聞こえ離れると小さく聞こえる・・・この音楽の大小が余計に気分が悪くなるのを増強させる。
見ると、この機械のスイッチ係のお兄ちゃん達は、チケット売り場でポテトをもぐもぐ食べている・・・。”そんなもの食べてないで止めてくれぇ〜!もう駄目だぁ・・・”と思い始めてからも、ドンドン回り続け、何も言えず、何も考えられなくなった状態の時間がしばし続き、やっと止まるのを知らせるベル音が、”あ〜やっと降りれる・・・。”娘は安全ベルトを外してもらった途端、さっさと待っている主人と弟の元へ行ってしまい・・・。『絵莉子ぉ、お母さんをおいて先に行かないでぇ〜』とにかく気持ちの悪い私は、ヨロヨロと降り芝生で座り込んだまま動けなくなってしまった。
こういう移動遊園地は、とてもアットホーム。乗り物代はとても安い上、普通の遊園地よりも、長い時間動かしてくれる。たった1人のお客さんなんて事もしばしばで、その乗り物を動かしているのは、チケットを売ってる、おじさん・おばさんやお兄さん。はじめての時は、”なんて、優しいの!!こんなに大サービスしてもらって良いのかしら?”と思っていた私だけど、今回ばかりは”鬼ぃ〜。こんなに降ろしてって、言ってるのにぃ。止めてくれな〜い”と思ったもの。ちなみに、このコーヒーカップのお化け乗り物に乗っていたのも、娘と私の2人きりだった。
さて、このボロボロの私をほって、子供達は次なる物へ・・・ちょっと見はファンタジーハウス?!中は、娘曰く、「アスレチックのようだった。」まっ、小さな建物だし、大丈夫だろう。と子供達だけで入らせたところ、最初心配していた娘は、平気なのが判り、弟の手を引き歩いている様子。2階のテラスの処へ顔を出した子供たちに、主人が手を振っているのを見た途端、息子がベソをかきはじめた。困ってしまう娘。この建物(トレーラーだが)のお姉さんが、主人に入って連れに行きなさいよと、言ってくれ一安心。(私?気分がすぐれず離れて座っていたもので(^_^;)出てきた息子は、半べそ状態。お父さんも一緒にいると思っていたらしく、外でにこやかに手を振ってるのを見て、どうしてそんなところにいるの???って事になったらしい。
でも、すぐ次なる乗り物へ行きご機嫌が戻る息子。小さな動物の小さなメリーゴーランド。ここも、お客は我が家の子供たちだけ。その後、子供たちはイギリス式、くじ引き?をし、景品をゲット。こちらからはるばる遠くの遊園地へ行かずとも、向こうからやって来てくれ、待ち時間ゼロ・格安で1時間も遊べば、十分楽しめ満足する突然移動遊園地。この日の私はゲロゲロ状態。帰宅後も1人トイレと仲良しになり・・・夕食が1時間ほど遅れたのだった。”もうあんなの絶対乗らないぞぉ。”と心に誓った私。でも、また乗ってしまうんだなぁ・・・どうしてだろう?
1週間後・我が家の近くのLONDON ROADを息子が乗ったネズミの顔をした飛行機の乗り物が乗っている、トレーラーが走ってるのを発見。次は、どこの街の人々を楽しませるのだろう?と、思わず微笑んでしまう。
そう言えば前回、たまたま通りかかって遊んだ、突然移動遊園地では、いわゆる、イギリス式天気で、家を出た午前中と遊んだ午後との天気と気温が、全く異なり、脱ぎ着出来る服でなく、厚手の服を着ていた私は、脱ぐに脱げず、炎天下の中、遊んだせいで、熱射病状態になり・・・帰宅後発熱。山ほど水をのみ、寝ていたら治ったけど・・・本当に、恐ろしい!!皆さんも、お気を付け下さい。
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