野田真紀のお気楽・極楽 英国便り

その18 走る我が家 21st October 1998


走る我が家

 私達は、1年と言う期限付きのイギリス滞在。
 慣れるまでに数ヶ月、遠出もほとんどしなかった。やっと自分達で行きたいところに行けるようになり、週末の晴れた日は、あちこち出かけ始めた我が家は、こちらに住んでいる人々と、基本的に遊び方が違う事に気付いた。

 ある動物園に行ったところ、園内は広くとても1日じゃ回れそうもない。私たちは、動物園の端から駆け足で、動物を見ていたが、ついに自動車で1ブロックずつ移動して、動物を見る事にした。そうまでしてやっと1周出来る動物園で、こちらの人々は、園内のあちらこちらの芝生の上に、毛布を敷きお弁当を食べ、横になって本を読んだりしている。”皆、動物は見ないの?”私たちは、せっかく来たのだから、出来れば全てを見て帰るぞ!!とクタクタになりながらも、走り回る。

 でも、こちらの人々はほとんど動きがない。皆優雅なものだ。この人たちから見れば、私たちの行動は、とてもおかしいだろうなぁ・・・といつも思うが、”ここに来るのは、これが最初で最後。”と思うからこそ、”もう歩けなーい。”と言うところまで、走り続けてしまうのだ。

 これは動物園だけでなく、ロンドンに行っても、コッツウォルズに行っても、休暇でバルセロナに行っても、全て同じ。もう少し優雅な時間の過ごし方をしたい。見習いたい。と思いながらも、走り続けてしまう。ちょっと日本人的で悲しい・・・けど、まだまだ帰国まで走り続ける事だろう。
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