貰い物のカメラ 2

ガラクタ置き場

Last update at the 7th of October 2001

貰い物のカメラ達

 以前、貰い物のカメラで紹介したように、私はニコンのマニュアル・フォーカスカメラを使っている。
 貰い物のカメラでは、 F3 と FE2 の 2 台を持っているように書いたが、実は FE2 を譲り受ける前から、 F3 を 2 台持っていたのだ。 つまり、現在は F3 を 2 台 に FE2 を 1 台 持っている事になる。
 F3 が 2 台の頃は、サブとメイン両方に F3 を使っていたが、 FE2 が加わるとそうも行かなくなる。 さすがに素人の私が、ボディを 3 台、同時に必要と言う事は少ない。 メイン 1 台だけの使い方が一番多く、次が 2 台のボディに違う種類のフィルムを入れておくパターンだ。
 2 台の F3 のうち、 1 台は、ハイアイポイントファインダーの付いた F3HP で、もう 1 台はノーマルのファインダーの付いた F3 である。 私は眼鏡を常用しており、アイポイントの長い F3HP を使う事が最も多い。 貰い物のカメラのページで紹介した F3 は、この F3HP で、もう 15 年近く使っている。 不動のメインカメラは この F3HP 以外にありえない。
 では、サブ・ボディには、もう 1 台の F3 と FE2 のどちらを使おう?
 マニュアルフォーカスカメラ派としては、なかなか贅沢だが悩ましい問題である。
 操作性が同一と言う意味では F3 であるが、小型軽量の上、スペック的に F3 を上回る FE2 にも魅力がある。
 特に FE2 のシャッター速度は、最速 1/4000 秒でシンクロ 1/250 秒は魅力的だ。 F3 は、それぞれ 1/2000 秒と 1/80 秒であるから、ちょっと高感度のフイルムを使い、どピーカンになったら、写真が撮れない時もあるのだ。
 と、そんな事を考え、メイン F3HP 、サブ FE2 体制で一年を過ぎた。 しかし、思いの他、サブカメラとしての FE2 が軌道に乗らない。
 FE2 には、カタログ・スペックには全く出てこないような項目で、 F3 に敵わない点がある。 それは、 だ。
 ファインダーと言っても「視野率 100% 」の事を言っているのでは無い。 視野率は FE2 でも、十分だ。第一これはカタログ・スペックに出ている。 アイポントが短いのも気になるが、 HP でない F3 も同じである。
 問題は、ファインダーでピントを合わせる時の見え方だ。 F3 はファインダーが明るく、いわゆるピントの山が、はっきりと見える。 それに対し FE2 は暗く、ピントの山が見えない。
 F3 のファインダー、特に HP ファインダーなんて、安物のカメラが十分買える以上のコストがかかっている。 F3 のずっしりと重いファインダーと如何にも光が集まりそうなフォーカススクリーンを見ていると、「これだけ凝ったファインダーじゃ、 FE2 は逆立ちしてもかなわないかなあ。」と思っていた。

 さて、そんな F3 も 20 年以上生産され続けていたが、ついに昨年10月製造中止になった。 続いて、 New FM2 も製造中止で、「いよいよ、ニコンもマニュアルフォーカスを止めるかな」と思っていたら、そうでも無い。今年になって、 FM2 と FE2 を引き継ぐような FM3A と言う新製品を出してきたから驚きだ。
 この FM3A 、如何にも FM2 と FE2 の流れを汲む、ほとんど同じ形態とファインダーの光学系を持つ。 「これじゃ、ファインダーは期待できないだろう。」と思ったのとは裏腹に、各カメラ雑誌ではファインダーの評価が極めて高い。
なんと、フォーカススクリーンを新設計しただけで、明るくピントの山を見やすいファインダーにすることができたらしい。 この新フォーカススクリーンは、定価 僅か 3,000 円で別売りしていて、その上、 FE2 にも取り付け可能だということだ。
 発売されたら、すぐに買ってきた(写真)。
 FE2 に取り付けたら、なんとファインダーが明るくピントの山が見つけやすくなった。一見すると、擦りガラス状のプラスチック板にしか見えないフォーカススクリーンだが確実に技術革新されており、ビックリである。
 これで、やや暗めの超望遠レンズでもピントあわせがし易くなった。
 さて、フォーカススクリーンの交換で FE2 も完全に『使える』カメラになったので、ますます、 ノーマルの F3 の行き場がなくなってしまった。
 そこで、娘(小学 3 年生)の誕生日のプレゼントにすることにした。
 娘には「良いカメラなんだから使わないのなら、すぐに返してもらう。」と言っておいたのだが、大喜びで写真を撮りまくっているので、返ってきそうも無い。 ちゃんと、カメラのホールディングとかシャッターの押し方を教えてやったら、それなりに様になっている(写真)。
 「子供に高価なカメラを与えるなんて・・・」と言う声が聞こえてきそうだが、実は、これ、前の NHK の朝の連続テレビ小説「オードリー」をパクったのである。 「オードリー」では主人公の娘が 11 歳の誕生日にバルナック・ライカを貰ったのが、きっかけで映画の道に進む。 別に、私の娘に映画とか写真関係の道に進んで欲しいわけではないが、自分で作品を作ると言うきっかけになって欲しいだけである。
 最近では本で調べては、絞りと被写界深度の関係や多重露光の実践を試しているようだ。
 やはり、子供に何かを与えるとき、本当に興味を持って欲しいのなら、やはり本物を渡さなければならない・・と思っている。

Copyright (C) 2001 野田篤司